2015年1月30日金曜日

えげつない・いげちない

大手Tax会社に勤めていたときに、いろいろな「わざ」を使う人たちにお会いしました。

Taxをファイルする、と事務所にくる。 そして、私たちTax ProにTaxファイリングの準備をさせて、結果をみると、何かの理由をつけて、去っていく。。。 こういう人たちは、すでに自分でTurbo Taxなどのソフトで計算していて、私たちプロに聞いて、自分の答えを照合しにきた、というやり口です。 こちら側としては、時間を掛けたのに、会社への収入がなくなる、という会社にしても、Tax Proにしても、かなり残念な結果となります。

コンピューターの前に座っているような気配が伝わってきて、電話で、Tax Filingのやり方を一つ一つを聞いてくる人たち。 

どのくらいの収入であれば、Earned Income Credit*が最大になるかを聞いてくる人たち。

ここ、アメリカ、いかにモノやサービスをただで入手しよう、という根性はものすごいですね。 私もいかにケチる、値切る、ということは多少習いました。 でも、上記のような行動はどうしても、えげつなく映ってしまいます。

リファンドが多くなるのであれば、嘘をつく人、結構、見てきました。 リスクを負うのは、Tax Proでした。 また、同じ立場の友人が別のところでFilingをしたら、リファンドがもっと多かった、と文句をいうひと。 それは、Illegalで、間違ったファイリングですといっても、他のところでファイリングする、と消えていきました。

確かにTaxのファイリングは時に、一般の人には難しすぎることが多々あります。 そして、費用が払えない人たちもいます。 


一方、Tax会社では、リファンドからTax Filing Feeを引いて、残りをお客様の口座にデポジットする、という方法も取っています。 仲介手数料をとります。 この方法で数年前には、Rapid Refundといって、2週間またずに、リファンドの多くを当日、数日でお渡しする、という商品もありました。 これは、実は短期ローンで、その手数料は$50-$100というぼったくり手数料をチャージしていました。 今はこの業界ではIRSの規制により、殆ど行っていませんが。

さらに、Tax の業界内での競争激化のため、私のいた会社では3年前に、一番簡単なTax filingは無料!というキャンペーンもありました。 シェア獲得のためです。 最初は簡単なファイリングでも、年とともに複雑になってきて、お客として今、確保しておく、というマーケティングの名目でした。 しわ寄せは、当然、TaxProでした。 お給料は歩合制でしたので、減った方が多かったですよ。

いや~、確かにお金は大事ですよね。 モノやサービスは出きればただで入手したいですよね。 このお仕事を大手の会社でしてきて、いろいろとお金に関する「えげつなさ」にもたくさん触れさせていただきました。(反対の場合もありますよ。 念の為。)

でも、上記のような人たちも、Tax業界の会社も、果たして、経済的に良い結果になったのでしょうかね? お客様の中には、リファンドを手にすると、すぐに消費してしまう人も多く、貯金する、IRA*を設立する、という人は少なかったです。 また、Tax会社の多くは、赤字のままで株価は低迷。 破産申告した大手もありました。 

おととい、突然、TextでW2の写真が送られてきて、これでリファンドどのくらいか、との質問が送られてきました。 ソーシャルセキュリティー番号、名前は隠されていました。 ご自分の紹介もありません。 

Textで丁寧に返事さしあげました。「どちら様でしょうか?」「無料のTaxソフトがあるので、それをご利用してはいかがでしょうか?」「リファンドの見積もりなら、$50チャージさせていただきます。」と。 しばらくして、以前のお客様の関係の人だとTextを打ってきました。 つまり、紹介、をほのめかしていました。 (日本人の方ではありません。)

返事しましたかって?      ほったらかしにしてあります。 
  

「えげつない」は、「いげちない」が変化した言葉らしいです。

「えげつない」:ものの言い方ややり方が露骨・無遠慮で節度を超えているさま。ずうずうしく、いやらしい
「いげちない」薄情である。冷淡である。 むごい。むごたらしい厚かましい意地汚い


私江戸っ子なので、言わせてもらいやしょう。 お金ってもんは、人にために使うと、いつの間にか自分に戻ってくることがあるんでやんす。 全部、使うこっちゃありゃせんですけどね、一部を寄付するとか、親孝行に使うとか、本当に困った友人に他の人にわからないようにそっととかね。 んで、お金ってのはね、神さんからいただくもんでござんす。

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*Earned Income Credit: 一定の収入に満たない納税者がリファンドを通して受け取る福祉のお金。

*IRA: "Individual Retirement Arrangement":会社ではなく、個人で開設する老後資金。

2015年1月24日土曜日

独立というと聞こえはいいですが。。

2年ぶりの投稿となります。

2008年から始めたこのblogですが、2010年だったのでしょうか。 息子が10歳になり、サッカーのクラブチームに入った頃から、まったく時間がなくなりました。 投稿数もその頃からがっくり減っていますね。 サッカーマムとして、時間的にも経済的にも、息子のサッカーに肩入れしてきました。 (娘はほったらかし?) 

その息子はいまや15歳となり、声変わりもして、なんとなく毛深くなってきました。 昨年、高校に入学しまして、高校のサッカーチームにも選ばれました。 今はシーズンが始まり、試合が、週2回です。 更に、週一回はチームディナーがあり、月一回はサポートの親の会、という超過密スケジュールが3月中旬まで続きます。 その後は、クラブチームのリーグ戦が始まります。 更に、これから子供の大学進学に向けて、尻たたきが主ですが、準備に集中する時期に入りました。 

上記の理由等により、今まで勤めさせていただいた大手Taxの会社で要求される時間をあてがうことが不可能、という理由で、Taxの会社は一度辞めることにしました。 

その会社のボスも理解していただき、同僚も「あなたは正しい選択をした。子供が一番大切!」との言葉を頂き、日本人らしく、「発つ鳥跡を濁さず」のごとく、私の事務所をきれいに掃除して後にしました。

思い返せば、子供たちが小学校に入った頃に、Taxのコースを取り、その後、その会社にて、7年以上勉強実践してまいりました。 最後の3-4年は国際税制の仕事が多く、それなりに経験と知識も身についておりました。 更に、IT会社での会計、人事の仕事から、雇用主側からみたTaxというものも、経験していますので、お客様のTaxを雇用主と従業員、という両側面から見ることができる、というありがたい経験を積むことができています。  

大手Taxの会社では、量を追うことを要求されるため、本来すべきアドバイスをしようとすると、会社からは、採算が合わない、というプレッシャーもありましたが、独立することにより、本当に必要なアドバイスにもう少し力を入れることができます。 規模は大きくなくとも、一人でこつこつと、お客様一人一人にクオリティーの高いTax filingとAdvisingを行っていくことにいたしました。 

昨年は、TaxのUpdateのコースで自分の知識を刷新いたしました。 また、現在、会社設立中です。 現在進行形ですが、Taxのファイリングにはまったく問題ありません。

Taxの仕事は家のオフィスにて行っていますが、お客様の便利を考え、最初の書類などは、E-mail,Text等でいただき、Taxを計算し、質問事項、アドバイスなどは、面談、Skypeなどで最終確認をとる方法を主にしています。 日本にお住まいのお客様とも、Skypeでやり取りいたしております。

今年もよろしくお願いいたします。