2012年3月23日金曜日

家のローンを払いきってしまうべきか?

こんな時期になって、始めての投稿です。

持ち家のある方で、Mortgage(住宅ローン)のあるからたは、Mortgage Interest (住宅ローン金利)とReal Estate Tax (固定資産税)をあわせると、Standard Deductionを越えることが多いため、Itemized Deductionという控除をとることが一般的です。 

一度、Itemized Deductionのドアが開かれると、寄付金、自腹を切った高額医療費で収入(AGI)の7.5%を越える医療費、2%を越える会社の仕事で使った経費、なども引けるようになります。

しかし、住宅ローンの期間が終わりになってきたり、一気に家のローンを払いきってしまえる人たちにとっては、数年使ってきたItemized Deductionが使えなくなります。

なので、家のローンを一気に支払うことに躊躇する方もいらっしゃると思います。

立場上、私はFinancial Adviceは出来ませんが、Tax上どういったことになるか、と簡単に検証してみましょう。 

ここに、田吾作さん、という方がいて、彼のTax Rateは25%とします。 他にCreditなどがない、と仮定します。 かれは、独身で、Standard Deductionは$5,800です。 日本で、80歳になる親が亡くなり、実家を売り払い、遺産が入りました。 円高ですから、ドルに換算して、ありがたいことに、今アメリカに持っている家のローンが払いきれてしまいます。

家は、郊外にある$200,000で買った家です。 住宅ローンの金利は、$10,000です。 固定資産税は、$5,000です。 これまで、田吾作さんは、Mortgage Interest $10,000とReal Estate Tax $5,000を足した$15,000をItemized Deductionとして、毎年、控除してきました。 リファンドは多くはありませんが、毎年、$2,500くらい貰っていました。

現在残っているローンは、$180,000。 親が残してくれた家を売ったお金で、十分払いきれてしまいます。

では、Itemized Deductionで$15000を控除することのTax Saving(減税)がどのくらいになるでしょうか?

田吾作さんは、Itemized Deduction $15000-Standard Deduction $5800 =$9,200 を余分に控除しています。 この$9200に、田吾作さんのTax Rate 25%をかけますと、$2300です。 今の金額が住宅ローンの金利(Mortgage Interest)と固定資産税(Real Estate Tax) をItemized Deductionで引いた結果によるTax Deduction (減税)となります。 おいしいですねぇ。

では、住宅ローン自体に目を向けましょう。 住宅ローンの金利は、住宅を持っている人が、銀行やMortgage Companyに支払うお金です。 つまり、Mortgage Companyの儲け分です。 田吾作さんの場合、これが、一年で、$10,000です。 毎年、徐々に減っていくわけですが、最初はかなりの金額です。 

田吾作さんの減税額は、$2300。 この得した分を金利から引くと、$10,000-$2300=$7700です。 たとえ得しても、やはり、$7700を銀行、Mortgage Companyにあげてしまっているわけです。

もし、田吾作さんが、結婚していたらどうでしょうか? 夫婦合算によるStandard Deductionは$11600です。 ローン金利と固定資産税の合計は、$15000. Itemized DeductionのNet Benefitは$3400これに田吾作さんのTax Rate 25%をかけると、$850の減税となります。

この減税額を金利から引くと、$10,000-$850=$9150. くやしいかな、$9,150、銀行にあげてしまっているわけです。


リファンドは手にするとうれしいですよね。 私の夫など、リファンドの大小で大喜びしたり、落胆したりしています。 本当は、自分が納めている税金からリファンドが出るわけですが(そうではない場合もありますが)、今まで期待していなかったお金が還ってくるのは、うれしいものです。 さらに手にとれるお金ですから。

一方、家を払いきってしまい、年間$10,000の出費が無くなっても、手元にお金が入ってくるわけではありません。 家からは何のリファンドも、リベートもありません。 そこが人間、心理的にあまりご利益を感じないかもしれませんね。


ここでは、住宅ローンを払いきるのがいいのか、住宅ローンをもっていたほうがいいのかは、私のほうでは、結論付けません。 それは、個人個人の判断に夜と思います。


ただし、アメリカの住宅ローンは、日本に比べて高く、今では、4%-6%です。 となると、30年ローンを返すにあたり、支払う全額というのは、住宅そのものの値段の2-3倍になるはずです。 そういったローン金利を銀行やMortgage Companyに支払っているのです。

では、リファンドを増やすにはどうしたらいいか? それは、源泉徴収を増やすこと、それがひとつです。W4のAllowanceをゼロにしたり、余分のお金を源泉徴収に追加してもらいます。 毎月の手取りは減ります。 しかし、Tax Filingの際には、Refundが増えます。

もうひとつは、1040の一枚目の一番したのAGIから上にある項目を増やしたり減らしたりすることもある業です。 一番一般的なのは、Traditional IRAを開いて、お金を入れることです。 Before Taxといって、収入から引かれます。 一般的に今は、上限が$5000です。 田吾作さんのTax Rate 25%を$5,000にかけると、単純計算で、$1250の減税となります。

他には、個人経営で何か始めて、最初を少し赤字になってしまって場合などもなきにしもあらず。 小さな家をかって、レンタルを始めて、最初は多少赤字なる場合もやり方によってはあるでしょう。 赤字になると、それが収入から引かれ、結果として、課税収入が減ります。

(このようなお話は、ここではあまり書けませんが、私の顧客の方には、ちょっとした技をお教えすることもあります。)

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Dave Ramseyというアメリカでは結構名の知れたFinancial Gruがいます。 彼の本を本屋でちょこっと立ち読みすると、住宅ローンを払いきるべきかどうかには、明確な答えを出しています。 お時間のある方、ちょっと立ち読みしてみてくださいね。


Tax Seasonこれからラストスパートの季節に入ります。 明日の土曜日も朝からびっしりと予約がはいっています。 Drop Offといて、置いていく方もたくさんいます。 置いていって、数日で出来上がると期待する人もたくさんいます。 さらに、今年からは、ビジネスタックスも始めました。 私自身のビジネスとして、小さな会社に会計のことを教えにいくことも始めています。 

といっても、貧乏暇なしです。 とほほ。  誰か、肩もみしてくださいね。